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縛られることに慣れ、いつの間にか浸かってた「ぬるい幸せ」になんか手を振ろう
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二人で始める世界征服 (MF文庫J)
著者:おかざき登
イラスト:高階@聖人

僕こと赤尾竜太は、高校の入学式当日に、クラスメイトの女の子に声をかけられる。
「あの、覚えてませんか? 幼稚園のときおもちゃの指輪を探してもらった、千紗です」そう名乗った気弱そうな彼女は、地味だけど笑顔が可愛い、スタイル抜群の美少女だった。
声をかけられたことで仲良くなり、幼馴染みのありす、委員長の高槻もまじえて楽しい学園生活をスタートさせたが、ある日、千紗の両親が亡くなってしまう。「僕にできることがあったらなんでも言って」とはげますと、千紗はとんでもない“お願い”をしてきて……!? 問答無用のぽややん世界征服、始動!


「あの……自分でも、狡いなって思うんです」
「狡い?」
「はい。……わたくしは、ダメです。もたれかからずにはいられません。経済的には、片桐さんよりずっと恵まれているのに、です。……今、かなり自己嫌悪気味です」
「……いや、何のことかはよくわからないけど、ありすを基準に考えるのはどうかと思うよ?あいつの楽天家ぶりは、人類としては親格外だから」
「そんな言い方をしては呼哀相ですよ」
綺麗な長い髪をかすかに揺らして、久喜島さんはくすりと笑った。そして、
「えっと……、あの、少し、事情を説明しますね」
と切り出した。何というか、この話題はもう終わり、と一方的に言われた気がした。
「自分で言うのもどうかとは思いますけど、わたくしの両親はかなりの資産家でした。わたくしは一人娘でしたし、すでに遺言状なども川意してあった都合上、その資産の大半はわたくしが受け継ぐことになりました。相続税で半分持っていかれても、相当の額が残ります。……えっと、今のわたくしには、一生かけても、使い切る方法がちょっと思いつかないくらいの額です」
「それは……すごいね」
相続税で半分、という時点で億単位なのは間違いないだろうと思う。でも、都心に家でも買えば簡単に億単位の金額になるわけで、使い切るのが難しいとか言っている以上は、億は億でも相当桁が上なのだろう。まさか、兆までいってたり……?うーん、こんな大がかりな隠しエレベーターとかを見せられたら、ないと言い切れないから恐ろしい。
お嬢様だと聞いてはいたけど、どうやら僕の想像なんかは及ばない規模みたいだ。
「でも、……あの、思うんです。お金とか遺産とかより、もっと受け継がなければならないものは、志とか誇りとか、そういう遺志みたいなものなのではないか、って」
「うん、かもしれないね。立派な考えだと思うよ」
僕の言葉に、久喜島さんは嬉しそうに「ありがとうございます」と微笑んだ。しかし、すぐにしょんぼりとうなだれて、
「……でも、わたくしのような小娘についてきて下さる奇特な方はいらっしゃいませんでした。お父様とお母様が作り上げた組織は、わずか数日で瓦解してしまったのです」
つまり、会社とかの話だろうか。両親の事業を引き継こうとしたけれど、役員とか社員とかの反対にあって無理だったとか、そういう話……?
「大変だったね。で、それは何の会社だったの?」

「いえ、あの、会社ではありません。秘密結社なんです」

「……は?」
「ですから、秘密結社です。世界征服を目論む悪の秘密結社『デーモンテイル』、それがお父様とお母様が作り上げた組織なのです」
悪の秘密結社?世界征服?
え?ギャグ?もしかして、ここ、笑うとこ?
しかし、久喜島さんの顔は真面口そのもの。
……そういえば、このエレベーターも、冗談にしては凝りすぎている。もうずいぶん下り続けているし……いったい、どのくらいの深さまで掘ってあるんだろう……?
「あの、単刀直入に言います」
と、久喜島さんは僕の真っ正面に移動し、まっすぐに僕を見た。長い前髪の隙問から見える、形のいい大きな目。黒口がちなその瞳は、とてもひたむきで真摯だった。
「赤尾さんには、その、同志になって頂きたいんです。……新生『デーモンテイル』の一員として、わたくしの世界征服を、手伝ってほしいんです!」
……同士って。世界征服って。そんなムチャクチャな。
あまりに突拍子もない展開に、僕の脳はショート寸前まで追い込まれてしまった。
しかし、だ。よーく考えろよ?両親の影響で特撮が好き、ってことは両親も特撮が好きで、かつ、ちょっと使い切れないほどの資産を持っている。
そこから導き出される解は?
金持ちの道楽。贅沢に趣向を凝らした、壮大なるごっこ遊び……?
なるほど、そう考えれば少しは納得がいく。要は気晴らしの遊びにつき合ってくれる仲間を、彼女は探しているんじゃないのか?うん、きっとそうだ。あはは、常識的なところに踏みとどまれてよかったなあ、僕。
だとしたら、断る理山もない。ちょっと馬鹿馬鹿しい気もするけど、力になる、って..言い出したのは僕の方だしね。
「……うん、まあ別に構わないけど」
僕の返事に、久喜島さんは大袈裟なくらい頬を紅潮させて喜んでくれた。
「本当ですか……っ!?あ、あのっ、ありがとうございますっ!」
あまつさえ僕の手を両手でガッチリと握り、上下にぶんぶんと振りながら、
「あ、あの、すっごく嬉しくて……っ、ああっ、まるで夢のようです……!」
と、かなり興奮気味にまくしたてる。
「そんな大袈裟な」
僕が苦笑すると、彼女も幾分か冷静さを取り戻したらしい。
けど、僕の手を握っていたことに気づいて、せっかく取り戻した平静をあっさり放棄し、真っ赤な顔で慌てて手を放した。
「えっと、その……あの、……」
しどろもどろに何かを言いかけて、彼女はうつむいてしまった。さっきとは別の意味で、テンパッてしまっているらしい。
「あの、ご、ご、ごめんなさいッ!お祖父様ッ!」
久喜島さんがそう叫んだ瞬間、エレベーターの四方から何かが噴き出した。
「え!?な、何が……?」
なおも何かが噴出する「ぷしゅーっ」という音は続いている。驚いて久喜島さんの顔を見やると、いつの間にか彼女はガスマスク的な何かを装着していた。
……はあっ!?
エレベーター内が、噴出してきている何かで満たされていくのがわかった。頭がぼうっとする。ふらついて足がもつれた。バランスを失いかけたところを、ガスマスク姿の久喜島さんに支えられた。
何これ……?照れ隠しにも、ほどが……。
そして僕は、意識を失った。


二人で始める世界征服 (MF文庫J)です。
「はい、だって、とっても悪い事じゃないですか」
世界征服の第一歩として銀行強盗に行っちゃいます。
その銀行には他の強盗さんまでやってきます。
ありすかわいいよありす

「悪事を働くには優しすぎるのだ。我がデーモンテイルのお姫様は、な」
 


二人で始める世界征服 (MF文庫J)

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まよチキ! (MF文庫J)
著者:あさのハジメ
イラスト:菊池政治

クラスメイトの涼月奏に執事として仕えている美少年・近衛スバル。
ふとした事故により、俺はスバルの秘密を知ってしまう。華奢な身体。かすかに漂う香り。掌に吸い付く柔らかい感触……って、こいつ女の子だったの!?
「ボクはおまえの記憶が飛ぶまで殴り続ける。それが執事の記憶消去術だ」
「その方法に執事は関係ねえだろ!」
どうやら彼女は家庭の事情とやらで、女の子であることがバレると執事を辞めなくてはいけないらしい。そんな中、奏はスバルの秘密を守ることと引き替えに、ある協力を俺に申し出てくるが……?


「そう。スバルは今日、あなたに自分が女であることを知られてしまった。あの娘は自分が涼月の執事であることに並大抵じゃない拘りを持ってるの。だからあなたの口をどうにか封じようとした。……ごめんなさい。私の執事が迷惑をかけたわ」
「………」
そういえば、近衛はどこにいったんだろう。まさか、秘密がバレたショックで引きこもりにでもなったんじゃ……。
「なあ、近衛はどこにいるんだ?」
「ふふ。心配してくれてるの?まあ、あなたが会いたいんならすぐに会えるわ。だって――スバルはこの部屋にいるんだもの」
「……へ?」
この部屋にいる?どこに?
きょとんとする俺を尻目に、涼月はもう一つのベッドの方に歩いていって、そこを仕切っていたカーテンを開けた。
「な――」
瞬間、言葉を失った。
俺が拘束されているベッドの隣にあるもう一つのベッド。
確かに、近衛スバルはそこにいた。
「んぐっ!んぐぐっ!」
声にならない声があがる。
当然だ。リングギャグというんだろうか。近衛の口には黒い口枷が無理矢理詰め込まれていた。しかも、それだけじゃない。全身を覆う銀色の鎖といくつもの南京錠。たぶん後ろ手に手錠もされているんじゃないか。
拘束。
目の前の光景に比べたら手錠だけの俺なんてまだ生易しく思えてくる。文字通り、近衛スバルは徹底的に拘束されて、ベッドの上に座らされていたのだ。
「お、おい、これは、どういうことだ……?」
俺は震える声で訊ねた。確かに、これじゃ涼月が俺のベッドで眠ってたのにも納得がいくけど……。
「え?まさか、これでも十分じゃないって言うの?ふふん、あなたもなかなかサディストね。仕方ないわ。じゃあこの鼻フックを―」
「やめろって!どうしてこんなマネしたんだ!近衛はおまえの執事じゃないのか!?」
「えー、せっかくあなたの為にしてあげたのに」
「俺がいつそんなこと頼んだ!?」
「きっと喜んでくれると思ったのよ」
「あいにくこんな特殊な趣味は持ち合わせてねえんだよ!」
いや、マジで。アブノーマル過ぎる。もうちょっとソフトじゃないとついていけません。
「そう、じゃあ外してあげた方がいいのかしら?」
「当たり前だ」
「わかったわ。後悔しないでね」
「するか!」
したら人間的に終わってしまう気がする。それにしてもなんてヤツだ。自分の執事を拘束するなんて。この女、クラスにいるときとは本気で別人じゃねえか。
「げほっ!ごほっ!」
がちゃがちゃとリングギャグが外され、近衛が咳き込んだ。
「ひ、ひどいです、お嬢様!どうして、どうしてこんなことをするんですか!?」
ああ、そりゃあ抗議したくもなる。自分の主人に拘束されたんだ。労働基準法違反もいいとこだろう。
けど、もう心配ない。あとは身体を縛っている鎖さえ外せば、近衛は自由に……。
「早く……早くこの鎖を外してください!じゃないとそこの変態を殺せません!」
「………」
……おかしいな。なんか、今ひどく物騒な台詞が聞こえたような気が……。
「おい、変態め!そこでガタガタ震えて待っているがいい!殺してやる!殺してやるぞ!!おまえの脳ミソをアルゼンチンまでふっ飛ばしてやるからなっ!」
近衛は自由になった口で元気に俺への殺害予告を叫んでいた。
うわああ忘れてた!コイツ、どうにかして俺を闇に葬ろうとしてたんだっけ……!
「そんなに焦らなくても大丈夫よ、スバル。今すぐ外してあげるから」
薄っすらと微笑みを浮かべながら、涼月が近衛を拘束している鎖に手を伸ばす。
「ちょ、ちょっと待て!やめろ涼月っ!」
ピタリと。
俺の言葉に涼月の指が止まる。
しかし、その顔は未だに不気味な笑みを湛えていやがった。
「どうかしたの、ジローくん。私はあなたに言われた通りスバルを自由にしているだけよ」
彼女は、くすくすと心底楽しそうに口唇を吊り上げた。
「教えてあげなかったけど、今あなたが無事なのも私のおかげなのよ。放課後、理科室で滅多打ちにされていたあなたを助けたのは私。その後、暴れるスバルを止めたのも私。どう、ジローくん。少しは自分の立場がわかった?」
「……はい、わかりました、涼月さん」
「え?ごめんなさい。今なんて言ったのかしら。よく聞こえなかったから、もう一度お願いできる?」
「……はい、助けていただきありがとうございました、涼月様」
「ふふ、わかればよろしい」
満足気に言って、涼月は鎖から指を引いた。
……今わかったことがある。
涼月奏。
この女、間違いなくSだ。しかもドS。どうしようもなく嗜虐趣味持ちだ。クラスにいるときと違って、今の涼月は黒い太陽みたいに燦然と輝いてやがる。これが学園一の美少女の本性。……あれ?おかし唆な。急に視界がにじんできた……。
「そんな!この鎖を外してくださいお嬢様!」
ガチャガチャと南京錠を揺らしながら、近衛は叫んでいた。
「そこの変態はボクの胸を無理矢理触ったんですよ!しかも興奮して鼻血まで出した犯罪者予備軍です!今すぐ息の根を止めましょう!」
「……おい、あれは事故だって言っただろ。悪気はなかったんだ。それに、おまえはもう十分俺を殴ったんじゃねえのかよ?」
「黙れ!殴ったと言ってもそこまでじゃない!せいぜい消火器がヘコむ程度だ!」
「思いっきり殺人未遂だろうが!」
俺じゃなかったら三途の川で背泳ぎしてるぞ。こういうときだけは自分のタフさをありがたく感じるよ。
「そもそもどうして男装してるのにパンツは女物なんだ?トランクス穿けよ」
「う、うるさい!男物の下着なんか気持ち悪くて穿けるかっ!」
はあはあと近衛は息を整えてから、
「それに、おまえのせいで……おまえのせいでボクは執事をクビになってしまうんだぞ!どうしてくれるんだ!」
「そう怒るなよ。今の日本で失業なんて珍しいことじゃない。明日あたり一緒にハローワークに行ってやるから」
「そ、そんなのいやだーっ!ボクは、どうしてもお嬢様の執事でいなくちゃいけないんだ……っ!」
げっ。やばい。コイツ、泣きそうだ。というかもはや泣いている。近衛は鳴咽を堪えながら、目に大量の涙を滲ませていた。
「呪ってやる!ボクがクビになったらおまえの枕元にバケて出てやるからなっ!」

まよチキ! (MF文庫J)です。
まよチキ!とは「迷える執事とチキンな俺と」を略した物だそうです。
変に回りくどい描写とか無くさらっと読めます。
執事券欲しいです……。


まよチキ! (MF文庫J)

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やってきたよ、ドルイドさん!3 (MF文庫J)
著者:志瑞祐
イラスト:絶叫

大勢の動物たちを一緒に引き連れて、はるばる私立森野学園にやってきた、ちょっと無愛想だけどめちゃくちゃキュートな女の子、ホリン・シャレイリア。
なんと彼女は由緒正しきドルイド(=自然の守り手)の一族なのだ。
ほろりアリ、ポロリもアリ(?)のハイテンションコメディ第3弾。

 ……漂う浮き輪をつかまえながら、これは前途多難そーだなー、と思っていると、
「おーい、なにやってんだ。沖は危ないって吉野が言ってただろ!」
どこかで見覚えのある男子生徒が、ボートに乗ってやってきた。えーっと……
「須田だ!」
「……あーもうっ、また先に言われた!なにしにきたのよ須田!」
「沖のほうはハマチが出るから危ねーって注意されてただろ!」
「ハマチ?あー、そーいえば……」
そんなこと言ってたよーな……
あたしがぼんやりと思った、そのとき―
「きゃあああああっ!」
だだっ広い海に、法香さんの悲鳴が響きわたる!
「……っ!」
声のしたほうを振り向けば、そこには―
ものすごいスピードで海面を走る黄色い背びれ。
「ハ、ハマチッ!」
ハマチであった。まるでサメのよーな泳ぎ方をするハマチであった。
どんどんこっちへ近づいてくる!
「ひいいいいいっ、シャレイリアっ、なんとかしてよ!」
「む、私はお魚とは仲がよくないのだ!」
「ああっ、そっか!」
髪をくしゃくしゃかきまぜる。と、
「あなたたち、はやくボートへお逃げなさい!」
「法香さん!?」
見れば―
法香さんが髪を振り乱してハマチの背にまたがっていた。
「ここはわたくしが足止めしますわ!」
「でも、それじゃ法香さんが」
「いいからっ、シャレイリアさんを連れてはやく―」
「キシャーッ!」
おそろしい咆哮を上げ、法香さんを振り落とそうともがく巨大ハマチ。
「きゃああああああっ!」
「法香よ、いま助けにゆくそー」
勇ましく叫び、シャレイリアは必殺の鈷―”ゲイ・ボルグ”を振りかざす。
パシャパシャパシャ。
「……」
パシャパシャパシャ。
「……むう」
って、ぜんぜん前に進んでないし!
「ええいっ、貸しなさい!」
「む!」
シャレイリアの手からゲイ・ボルグをひったくると、ハマチへ向かって突進する。
ハマチは弧を描くように旋回しふたたび、こっちへ向かってくる!
あたしは水中でしっかりと鈷を構える。魚の弱点は腹だ。
と、そこへ
「夏穂、魔槍ゲイ・ボルグはケルト魔術の使い手にしか扱えぬのだ!」
「そ、それを早く言えーっ!」
巨大ハマチが眼前に迫る。
「……っ!」
ぽっかりと、暗い口を大きくあけてあたしを呑み込もうとした、寸前―
ピシャ――ンッ!
「……え?」
叩きつけるような音がして、ハマチは遥か彼方へ吹っ飛ばされた。
「……な、なに?」
あたしが、きょとん、としていると。
「ぷはあっ、委員長!」
法香さんが水面に顔を出した。
「い、いま、海底から大きな触手のようなものが」
「触手?」
眉をひそめ、訊きかえす―と。
「いやああああっ、らめえええええええっ!」
「……っ!?」
背後で上がった悲鳴に振り返れば―
「須田!」
吸盤つきの触手に絡みつかれ、あられもない格好で悲鳴を上げる須田翔太(十四歳・♂)の姿がそこにあった。
「タコはらめなのおおおおっ!」
「ああっ、須田の、須田のパンツが大変なことにっ!」
「いやああああっ、見ないでえええええっー」
「なんという誰も得しない光景!」
「むしろ損ですわ!」

両手で顔を覆いながら叫ぶあたしと法香さん。
「こらーつ、シャレイリアとかわれーっ!」
「わ、夏穂っ、なにを言っているのだ!」
と、そんな状況の中―
「あ、なんか大物がかかったよっ!」
あくまでマイペースに釣りをしていた雪那が声を上げる。
見れば。巨大なカジキが、ボートに乗り上げてピチピチしていた。
「な、なんでカジキが……」
「きゃああああああああっ!」
「こ、こんどはなに!?」
振り向くと、法香さんが透明なぶよぶよしたものに襲われている。
「……エ、エチゼンクラゲ?」
「……っ、こんなものっ、神代流奥義〈クラゲひしぎ固め〉でーきゃああああ!」
ぬめぬめぬめぬめ。
……うわー。なんかどんどん絡みつかれてるし。
「法香さん、クラゲに関節技は間違ってるよ。その奥義考えた人はアホだよ……っていうかっ!いったいなんなのよ、この状況は!」
叫び、あたりを見まわせば
カツオ、マグロ、アナゴ、ヒラメ、エイ、タコ、イカ、マンボウ、オウムガイ………まわりをいろんな海の生き物に囲まれていた。
それも、一匹一匹が異様に巨大だったりする。


やってきたよ、ドルイドさん!3 (MF文庫J)です。
夏だ!海だ!触手だ!です。
タコにクラゲに絡まれます。
鰯になったつもりでお楽しみ下さい。


やってきたよ、ドルイドさん!3 (MF文庫J)       ライトノベル

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わるぷるキス! (MF文庫J)
著者:内山靖二郎
イラスト:ニリツ

先天的に魔法が使える女の子たちのために整備された魔女特区、通称セイラムにある高校に転入する朝倉優人。優人は魔女の力の源に“直接触れる”ことで、相手の魔法を使えなくできる力を持っている……自分自身は魔法を使えないのに。この力が疎ましい優人は、力をなくせるという現象「ワルプルギスの夜」を起こせる魔女がこの学園にいるらしいと知ってやってきたのだ。
ところが優人はひょんなことから「男子魔法部」に入部することに。しかもなぜか部員は傲慢なクラスメイトの女子・夏花一人。
女の子ばかりの学園で、優人のぷるぷるに過激な学園生活がはじまりすぎる!!


「ちょっと、彼を床になんか座らせて、なにやってるの?」
「なによ、いま忙しいんだから邪魔しないでよね」
「それって、調教?ちさ先生の真似?」
「ちが~う!これは座禅よ、座禅。英語でいえばThe・ZEN」
なぜわざわざ英語でいい直す?
それにその英語は微妙に違ってるし。
と、ツッコミはさておき、やってきた人物の声には聞き覚えがあった。
校門で俺の争奪戦をしていたうちの一人。魔法医術部の薬師綾音。魔法薬の匂いをさせているから、間違いないだろう。
俺は綾音の外見を思い出す。
夏花とはまた違った意味での美少女―というより、美女のカテゴリーにいれたほうがいいだろう。とても大人っぼく、可愛いというよりは妖艶という感じ。
朝に会ったときは、てっきり上級生かと思っていたので、同じクラスだと聞かされたときはびっくりした。見た目は幼女のちさ先生に紹介されたものだから、なおさら年上に見えたのもあるだろう。
やや赤みかがった、ゆるいウェーブのかかった髪。
シャープで外人モデルのような顔立ち。切れ長で、長いまつげの挑発的な目つき。
リップグロスのせいか、濡れたように艶やかな色っぽい唇。なにより印象的だったのは、そのスタイルだ。
もうしわけないが、夏花と比べても、子供と大人。
目を閉じていても、あの強烈なボディは頭に浮かぶーなどと、雑念を思い浮かべていたら。
「ウチの新入部員はすごいのよ。いくら邪魔してもピクリともしないの。これは達人レベル。ガンジー並みのすごさよ」
いや、ごめん。
こんな俺をガンジーと比べるのはやめてくれ。すごく失礼だから。
というか、おまえはどれだけガンジーのことを知っているのかと。
すると、俺の顔を綾音がのぞいている気配を感じた。
「ふ~ん、そうなの……」
ううっ……たったいま雑念に満たされていたのを見透かされていないか、ちょっと心配だ。
きっとガンジーならこんな心配はしたりしないだろう。
夏花の代わりに、俺が謝ります。ガンジーさん、ごめんなさい。
「なるほどねえ」
しばらくバラと魔法薬の混ざった香りがすぐそばに感じられていたが、やがてスッと遠のいた。
「まあ、いいや。ちょっと着替えさせてもらうね」
「ちょっ!?なんで、ここで着替えるのよ?」
「別にいいでしょ。制服に薬の匂いが移っちゃって嫌なのよ」
さらさらと衣擦れの音。
思わず聴覚に全神経が集中してしまう。
「最近、合う下着がなくて困るのよ。安物つけると体形が崩れちゃうでしょ?」
いきなり生々しいことをいい出した。
一方的に下着に対する不満を赤裸々に告白する綾音に、夏花はさっさと出て行けと抗議するばかり。
「胸が大きくなるのはいいんだけど、くびれを維持するのは大変よね。あんまり筋肉とかつけたくないし。お腹触ってみる?」
くびれ!
くびれですって、奥さん!
「セイラムはランジェリーショップが少ないから嫌ね。下着はネットで買いたくないし……」
ピシッピシッとなにかを弾くような小さな音がする。
なにを弾いているんだ?
位置からして腰のあたり。
「このショーツ、ちょっときついかも」
また、ピシピシという音。
もしかして、それは下着をひっぱっている音?
なんとはしたない。
ここに男がいるのを忘れていないか。
忘れてるだろう?
だったら、ちょっとだけ目を開けても……大丈夫か?
うん、大丈夫。
脳内会議を一瞬で終了させると、俺は身体を微動だにさせず、目だけを薄く、本当にうす~く開いた。
しばらく目を閉じていたので、うまく焦点が合わない。
視界には、ぼんやり肌色っぽいものが見えるだけ。
高鳴る動機を押さえつつ、俺はもうちょっとだけ目を開いた。
すると……
ぱちくり。
目と目が合った。
しかも、綾音と夏花の二人と。
「これのどこがガンジーなのかな?」
かがみ込んでこちらを見つめていた綾音は、腰に手を当てて身体を起こすと、見下すような目をして「ふん」と鼻を鳴らした。
いや、「ような」じゃなくて、間違いなく見下された。
軽蔑された。
呆れられた。
しかも、綾音はまったく着替えていない。
なんてこった。
すっかり騙され―
スパーン!
突如、俺の後頭部に夏花のハリセンが横殴りに炸裂した。
不意を打たれて、目玉がこぼれ落ちそうになった。
スパーン!
スパパーン!
スパパパ、パ――ン!
十六ビートの軽快なリズムでハリセンが振り下ろされる。
音は景気がよいが、殴られているほうはたまらない。
「いてえな、こらっ!」
俺はハリセンを白刃取りして立ち上がる。
「このエロ親父三倍速!それでも男かっ!」
まったく意味のわからん悪口だが、普通のエロ親父よりも三倍ぐらいすごいのだろう。
「だって、しょうがないだろ。目の前であんな話されたら、誰だって目を開けるって!」
「私が気を散らそうとしたときは無視していたくせに……」
「ピンクの象なんか見たくないからな」
「じゃあ、私の下着は見たかったんだあ?」
俺と夏花の間に、綾音が割って入ってきた。
こうして目の前に立つと、綾音の背は俺とほぼ同じぐらい。
女子にしてはやや高めで、夏花よりは頭一つ大きい。
そして、なにより胸が大きい。
それだけでも、俺を動揺させるに十分な破壊力だ。
「そ、そういうわけじゃないけど、すぐそばでそんな話をされたら気が散って当たり前だろ!」
「だったら、なんでピンクの象に反応しないのよっ!」
夏花が怒鳴る。
「なぜそんなにピンクの象を推すんだ!!」
「鼻だけグリーンなのよっ?」
「そこはセールスポイントなのか?」
すると俺たちの低レベルな言い争いにうんざりしたのか、綾音が呆れた口調で眩いた。
「だいたい、夏花ねぇ……男に魔法を教えるなんて無駄なことやめなさいよ」
「なにが無駄なのよ!」
その綾音の言葉に、夏花は敏感に反応した。
「わからないの?魔法は魔女だけの特権なのよ。それをわざわざ男に教えてあげるなんて、どうかしてるわ」
ちょっと言葉はきついが、綾音のいうこともごもっともだ。
それだけに、夏花がなぜ男に魔法を教えるなんて面倒なことをしているのかは、俺もちょっと興味がある。
「そうだな……おまえ、なんでそんなに男に魔法を使わせたいんだ?」
すると、夏花は両手に腰をあてて、高らかに宣言した。

「だって、みんなが魔法を使えたら楽しいでしょ!」


わるぷるキス! (MF文庫J)です。
魔女特区、通称セイラムにある高校に転入して来た魔法を打ち消す事が出来る男子高校生の話です。
うん、ビリビリは出ていません。主人公もとーまーじゃなくてゆーとー(朝倉君)です。
ハーレムです。女子寮に住んじゃいます。ファンタジーなシーンも読みどころです。
ハーレム♪&ファンタジー。
流石、ギャルゲシナリオに一番近いライトノベルの出版社MF文庫J。
楽しめます。


わるぷるキス! (MF文庫J)

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