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みすぷり! (メガミ文庫)
著者:SOW
イラスト:駒都えーじ

 ケンカ上等の高校生・夏河元譲。
彼のクラスにやってきた留学生・ソアラは、金髪碧眼の美少女で、さる国の王女様で、小学校の幼なじみで、そのうえ元譲にラブラブだった!
が、元譲はただただ驚愕するのみ。
なぜなら彼の知るソアラは、男だったはずだから!?
さらに、オトコノコ疑惑渦巻くお騒がせプリンセス・ソアラの周りには、ある陰謀の陰が…。


「妹さんカワイイねえ、げんじょにソックリだねえ」
性格まで似ていると言われる、大変不愉快な話だった。
もう中学生だというのに、あの可愛げのない性格で大丈夫だろうかと心配になる。
「生意気で兄を兄とも思わんクソガキだよ」
今日は熊の置物だからまだよかった。この前など、どこから持ってきたのかボーリングの玉を投げてきた。
すんでで気づいて避けたからよかったようなものを、なにを考えているんだか。
「お前さ、そんな格好してて、家族はなんも言わねーのか?親や兄弟泣いてんぞ?」
ふと、そんなことを思った。お国柄というのもあるのだろうが、息子が美少女になったら、どれだけ理解のある家庭でも家族会議は免れないだろう。
「ああ、それなら大丈夫だよ」
あまりにも小さすぎて気づかないものだった。小さすぎて、元譲は気づけなかった。
ソアラの目が、わずかにすぼめられたことを。
「ボクの両親死んでるし、弟や妹もいるんだかいないんだか、よく知らないし」
「え……?」
まるで、昨日の夕食のメニューを話すような、なんのことはない、自然な口調だった。
「飲む?オレンジ味のカルピスだよ?」
よどみない動きで、魔法ビンに入れてきたカルピスをコップに注ぐ。
溶けることを計算して氷も入れてきたのだろう、少し濃い目だった。
「ボクんちってさ、決まりごとがあってね、家を継げるのは男の子だけなんだ。でもさ、それじゃあ世継ぎがいなくなる可能性もあるでしょ?だから、おめかけさんって言うか、後宮みたいのがあるわけさ?」
別に珍しいことではない。
王族と言うものは、創始者を除けば、存在することに最大の意味がある。
「血」という権威を守護することだけが存在理由なのだ。
したがって、一夫多妻制ではない国でも、王族だけは特例として複数の妻を持つことは珍しくない。日本でも近代まで似たようなことは行われていた。
「腹違いの弟妹とか、いるんだかいないんだかわかんないのさ」
「でも……それでも兄弟なんだろ?会ったことくらいはあるだろ?」
「……げんじょ?ボクんちはね、暗殺と謀略が趣味みたいな一族なんだ。皇位継承の資格を有してるってだけで、嫌われる理由どころか、殺される理由としても十分なんだよ」
少しだけ、ソアラの口調は皮肉めいていた。
それが、平和な国で普通に兄弟げんかができる世界にいる元譲を揶揄したものなのか、それとも、自分がいる世界を蔑んだものなのかはわからない、とても複雑な表情だった。
「ボクが日本で小学校に通っていたのもそれが理由だよ。でも、そのころはまだマシだった。後ろ盾になってくれていた人がいたから、比較的平和に暮らせたんだけどね……」
ただし、それも十歳までだった。
後ろ盾が突如として失脚、帰国命令が下った。
「待っているのは確実な死……だから、ボクは一計を案じたんだ。それが、この格好さ」
皇位を継げるのが男子だけならば、女と欺けばいい。
「初めてこの格好になったときのことは今でも忘れられないよ……」
肩が震えている。
たとえどんな理由であったとしても、生まれもった性を否定されるというのは、決して軽い衝撃ではないだろう。
「……あ」
元譲はなぐさめの言葉を考えつつ、その肩に手を伸ばそうとした。


「………………なんてカワイイんだって」

「はい?」

手を止める。
「もお、ビックリしたよー!なにこの超絶美少女わってハナシだったね!自分で自分が怖くなったよ、『美しさは罪』をフルコーラスしちゃったよ!……おや、げんじょ?なにズッこけてんの?」
一瞬同情したのがバカみたいだと思ったんだ!どなりつけたかったが、口がうまくまわらなかった。「呆れてものが言えない」状態だった。
たしかにソアラは美少女だ。
この姿を見て男だと思うものなどまずいないだろう。
正亘な話、元譲も最近記憶を疑い始めている。
なにせ元譲の記憶にあるそあらは小学五年生の時、第二次性徴の前だ。男女の境界線もまだあいまいだったころだ。
「なあ……おまえ、ホントにどっちなんだ?」
心から、問いかけた。
「オンナノコじゃないと、げんじょはわたしを好きになってくれないの?」
一陣の風が吹いた。
木が、枝が、葉がざわめき、音が波のよう拡がる。

「なら……確かめてみれば?」
いつもの冗談めかした顔ではなかった。
「いまここでさ、わたしをひん剥けば?抵抗しないよ。好きにすればいい」
「なっ……!?」
ここは公園、公共の場で、まだ日も高い。と言うより真っ昼間だ。
だが、この場所はかなり奥まった場所にあり、サンドイッチを食べている間も、誰も通らなかった。
まるで、あらかじめそう仕組まれたようでさえあった。
「…………」
ソアラはなにも言わなくなった。口をまっすぐに結んでいる。
白いワンピースが、無性に目にまぶしかった。
「あ……の……いや……」
思わず立ち上がり、見下ろす形になる。
ソアラはただ、じっと元譲の目を見つめていた。
その瞳を、元譲は美しいと思ってしまった。
「ただし」
「―――!?」


みすぷり! (メガミ文庫)です

「可愛かったら!もうどっちだって良いじゃないですかぁぁ」
至言です
カワイイは正義です
多分許されます。
でもカワイイ女の娘だと思ってた娘が実は男の娘で、それでもいいや!と開き直ったらホントは女の子なの。って展開になったらどんな気分なんだろ?


みすぷり! (メガミ文庫)(ライトノベル)

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