著者:あさのハジメ
イラスト:菊池政治
クラスメイトの涼月奏に執事として仕えている美少年・近衛スバル。
ふとした事故により、俺はスバルの秘密を知ってしまう。華奢な身体。かすかに漂う香り。掌に吸い付く柔らかい感触……って、こいつ女の子だったの!?
「ボクはおまえの記憶が飛ぶまで殴り続ける。それが執事の記憶消去術だ」
「その方法に執事は関係ねえだろ!」
どうやら彼女は家庭の事情とやらで、女の子であることがバレると執事を辞めなくてはいけないらしい。そんな中、奏はスバルの秘密を守ることと引き替えに、ある協力を俺に申し出てくるが……?
「そう。スバルは今日、あなたに自分が女であることを知られてしまった。あの娘は自分が涼月の執事であることに並大抵じゃない拘りを持ってるの。だからあなたの口をどうにか封じようとした。……ごめんなさい。私の執事が迷惑をかけたわ」
「………」
そういえば、近衛はどこにいったんだろう。まさか、秘密がバレたショックで引きこもりにでもなったんじゃ……。
「なあ、近衛はどこにいるんだ?」
「ふふ。心配してくれてるの?まあ、あなたが会いたいんならすぐに会えるわ。だって――スバルはこの部屋にいるんだもの」
「……へ?」
この部屋にいる?どこに?
きょとんとする俺を尻目に、涼月はもう一つのベッドの方に歩いていって、そこを仕切っていたカーテンを開けた。
「な――」
瞬間、言葉を失った。
俺が拘束されているベッドの隣にあるもう一つのベッド。
確かに、近衛スバルはそこにいた。
「んぐっ!んぐぐっ!」
声にならない声があがる。
当然だ。リングギャグというんだろうか。近衛の口には黒い口枷が無理矢理詰め込まれていた。しかも、それだけじゃない。全身を覆う銀色の鎖といくつもの南京錠。たぶん後ろ手に手錠もされているんじゃないか。
拘束。
目の前の光景に比べたら手錠だけの俺なんてまだ生易しく思えてくる。文字通り、近衛スバルは徹底的に拘束されて、ベッドの上に座らされていたのだ。
「お、おい、これは、どういうことだ……?」
俺は震える声で訊ねた。確かに、これじゃ涼月が俺のベッドで眠ってたのにも納得がいくけど……。
「え?まさか、これでも十分じゃないって言うの?ふふん、あなたもなかなかサディストね。仕方ないわ。じゃあこの鼻フックを―」
「やめろって!どうしてこんなマネしたんだ!近衛はおまえの執事じゃないのか!?」
「えー、せっかくあなたの為にしてあげたのに」
「俺がいつそんなこと頼んだ!?」
「きっと喜んでくれると思ったのよ」
「あいにくこんな特殊な趣味は持ち合わせてねえんだよ!」
いや、マジで。アブノーマル過ぎる。もうちょっとソフトじゃないとついていけません。
「そう、じゃあ外してあげた方がいいのかしら?」
「当たり前だ」
「わかったわ。後悔しないでね」
「するか!」
したら人間的に終わってしまう気がする。それにしてもなんてヤツだ。自分の執事を拘束するなんて。この女、クラスにいるときとは本気で別人じゃねえか。
「げほっ!ごほっ!」
がちゃがちゃとリングギャグが外され、近衛が咳き込んだ。
「ひ、ひどいです、お嬢様!どうして、どうしてこんなことをするんですか!?」
ああ、そりゃあ抗議したくもなる。自分の主人に拘束されたんだ。労働基準法違反もいいとこだろう。
けど、もう心配ない。あとは身体を縛っている鎖さえ外せば、近衛は自由に……。
「早く……早くこの鎖を外してください!じゃないとそこの変態を殺せません!」
「………」
……おかしいな。なんか、今ひどく物騒な台詞が聞こえたような気が……。
「おい、変態め!そこでガタガタ震えて待っているがいい!殺してやる!殺してやるぞ!!おまえの脳ミソをアルゼンチンまでふっ飛ばしてやるからなっ!」
近衛は自由になった口で元気に俺への殺害予告を叫んでいた。
うわああ忘れてた!コイツ、どうにかして俺を闇に葬ろうとしてたんだっけ……!
「そんなに焦らなくても大丈夫よ、スバル。今すぐ外してあげるから」
薄っすらと微笑みを浮かべながら、涼月が近衛を拘束している鎖に手を伸ばす。
「ちょ、ちょっと待て!やめろ涼月っ!」
ピタリと。
俺の言葉に涼月の指が止まる。
しかし、その顔は未だに不気味な笑みを湛えていやがった。
「どうかしたの、ジローくん。私はあなたに言われた通りスバルを自由にしているだけよ」
彼女は、くすくすと心底楽しそうに口唇を吊り上げた。
「教えてあげなかったけど、今あなたが無事なのも私のおかげなのよ。放課後、理科室で滅多打ちにされていたあなたを助けたのは私。その後、暴れるスバルを止めたのも私。どう、ジローくん。少しは自分の立場がわかった?」
「……はい、わかりました、涼月さん」
「え?ごめんなさい。今なんて言ったのかしら。よく聞こえなかったから、もう一度お願いできる?」
「……はい、助けていただきありがとうございました、涼月様」
「ふふ、わかればよろしい」
満足気に言って、涼月は鎖から指を引いた。
……今わかったことがある。
涼月奏。
この女、間違いなくSだ。しかもドS。どうしようもなく嗜虐趣味持ちだ。クラスにいるときと違って、今の涼月は黒い太陽みたいに燦然と輝いてやがる。これが学園一の美少女の本性。……あれ?おかし唆な。急に視界がにじんできた……。
「そんな!この鎖を外してくださいお嬢様!」
ガチャガチャと南京錠を揺らしながら、近衛は叫んでいた。
「そこの変態はボクの胸を無理矢理触ったんですよ!しかも興奮して鼻血まで出した犯罪者予備軍です!今すぐ息の根を止めましょう!」
「……おい、あれは事故だって言っただろ。悪気はなかったんだ。それに、おまえはもう十分俺を殴ったんじゃねえのかよ?」
「黙れ!殴ったと言ってもそこまでじゃない!せいぜい消火器がヘコむ程度だ!」
「思いっきり殺人未遂だろうが!」
俺じゃなかったら三途の川で背泳ぎしてるぞ。こういうときだけは自分のタフさをありがたく感じるよ。
「そもそもどうして男装してるのにパンツは女物なんだ?トランクス穿けよ」
「う、うるさい!男物の下着なんか気持ち悪くて穿けるかっ!」
はあはあと近衛は息を整えてから、
「それに、おまえのせいで……おまえのせいでボクは執事をクビになってしまうんだぞ!どうしてくれるんだ!」
「そう怒るなよ。今の日本で失業なんて珍しいことじゃない。明日あたり一緒にハローワークに行ってやるから」
「そ、そんなのいやだーっ!ボクは、どうしてもお嬢様の執事でいなくちゃいけないんだ……っ!」
げっ。やばい。コイツ、泣きそうだ。というかもはや泣いている。近衛は鳴咽を堪えながら、目に大量の涙を滲ませていた。
「呪ってやる!ボクがクビになったらおまえの枕元にバケて出てやるからなっ!」
まよチキ! (MF文庫J)です。
まよチキ!とは「迷える執事とチキンな俺と」を略した物だそうです。
変に回りくどい描写とか無くさらっと読めます。
執事券欲しいです……。
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貼れないストーリーをこっちでやってます。
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