二人で始める世界征服 (MF文庫J)
著者:おかざき登
イラスト:高階@聖人
僕こと赤尾竜太は、高校の入学式当日に、クラスメイトの女の子に声をかけられる。
「あの、覚えてませんか? 幼稚園のときおもちゃの指輪を探してもらった、千紗です」そう名乗った気弱そうな彼女は、地味だけど笑顔が可愛い、スタイル抜群の美少女だった。
声をかけられたことで仲良くなり、幼馴染みのありす、委員長の高槻もまじえて楽しい学園生活をスタートさせたが、ある日、千紗の両親が亡くなってしまう。「僕にできることがあったらなんでも言って」とはげますと、千紗はとんでもない“お願い”をしてきて……!? 問答無用のぽややん世界征服、始動!
「あの……自分でも、狡いなって思うんです」
「狡い?」
「はい。……わたくしは、ダメです。もたれかからずにはいられません。経済的には、片桐さんよりずっと恵まれているのに、です。……今、かなり自己嫌悪気味です」
「……いや、何のことかはよくわからないけど、ありすを基準に考えるのはどうかと思うよ?あいつの楽天家ぶりは、人類としては親格外だから」
「そんな言い方をしては呼哀相ですよ」
綺麗な長い髪をかすかに揺らして、久喜島さんはくすりと笑った。そして、
「えっと……、あの、少し、事情を説明しますね」
と切り出した。何というか、この話題はもう終わり、と一方的に言われた気がした。
「自分で言うのもどうかとは思いますけど、わたくしの両親はかなりの資産家でした。わたくしは一人娘でしたし、すでに遺言状なども川意してあった都合上、その資産の大半はわたくしが受け継ぐことになりました。相続税で半分持っていかれても、相当の額が残ります。……えっと、今のわたくしには、一生かけても、使い切る方法がちょっと思いつかないくらいの額です」
「それは……すごいね」
相続税で半分、という時点で億単位なのは間違いないだろうと思う。でも、都心に家でも買えば簡単に億単位の金額になるわけで、使い切るのが難しいとか言っている以上は、億は億でも相当桁が上なのだろう。まさか、兆までいってたり……?うーん、こんな大がかりな隠しエレベーターとかを見せられたら、ないと言い切れないから恐ろしい。
お嬢様だと聞いてはいたけど、どうやら僕の想像なんかは及ばない規模みたいだ。
「でも、……あの、思うんです。お金とか遺産とかより、もっと受け継がなければならないものは、志とか誇りとか、そういう遺志みたいなものなのではないか、って」
「うん、かもしれないね。立派な考えだと思うよ」
僕の言葉に、久喜島さんは嬉しそうに「ありがとうございます」と微笑んだ。しかし、すぐにしょんぼりとうなだれて、
「……でも、わたくしのような小娘についてきて下さる奇特な方はいらっしゃいませんでした。お父様とお母様が作り上げた組織は、わずか数日で瓦解してしまったのです」
つまり、会社とかの話だろうか。両親の事業を引き継こうとしたけれど、役員とか社員とかの反対にあって無理だったとか、そういう話……?
「大変だったね。で、それは何の会社だったの?」
「いえ、あの、会社ではありません。秘密結社なんです」
「……は?」
「ですから、秘密結社です。世界征服を目論む悪の秘密結社『デーモンテイル』、それがお父様とお母様が作り上げた組織なのです」
悪の秘密結社?世界征服?
え?ギャグ?もしかして、ここ、笑うとこ?
しかし、久喜島さんの顔は真面口そのもの。
……そういえば、このエレベーターも、冗談にしては凝りすぎている。もうずいぶん下り続けているし……いったい、どのくらいの深さまで掘ってあるんだろう……?
「あの、単刀直入に言います」
と、久喜島さんは僕の真っ正面に移動し、まっすぐに僕を見た。長い前髪の隙問から見える、形のいい大きな目。黒口がちなその瞳は、とてもひたむきで真摯だった。
「赤尾さんには、その、同志になって頂きたいんです。……新生『デーモンテイル』の一員として、わたくしの世界征服を、手伝ってほしいんです!」
……同士って。世界征服って。そんなムチャクチャな。
あまりに突拍子もない展開に、僕の脳はショート寸前まで追い込まれてしまった。
しかし、だ。よーく考えろよ?両親の影響で特撮が好き、ってことは両親も特撮が好きで、かつ、ちょっと使い切れないほどの資産を持っている。
そこから導き出される解は?
金持ちの道楽。贅沢に趣向を凝らした、壮大なるごっこ遊び……?
なるほど、そう考えれば少しは納得がいく。要は気晴らしの遊びにつき合ってくれる仲間を、彼女は探しているんじゃないのか?うん、きっとそうだ。あはは、常識的なところに踏みとどまれてよかったなあ、僕。
だとしたら、断る理山もない。ちょっと馬鹿馬鹿しい気もするけど、力になる、って..言い出したのは僕の方だしね。
「……うん、まあ別に構わないけど」
僕の返事に、久喜島さんは大袈裟なくらい頬を紅潮させて喜んでくれた。
「本当ですか……っ!?あ、あのっ、ありがとうございますっ!」
あまつさえ僕の手を両手でガッチリと握り、上下にぶんぶんと振りながら、
「あ、あの、すっごく嬉しくて……っ、ああっ、まるで夢のようです……!」
と、かなり興奮気味にまくしたてる。
「そんな大袈裟な」
僕が苦笑すると、彼女も幾分か冷静さを取り戻したらしい。
けど、僕の手を握っていたことに気づいて、せっかく取り戻した平静をあっさり放棄し、真っ赤な顔で慌てて手を放した。
「えっと、その……あの、……」
しどろもどろに何かを言いかけて、彼女はうつむいてしまった。さっきとは別の意味で、テンパッてしまっているらしい。
「あの、ご、ご、ごめんなさいッ!お祖父様ッ!」
久喜島さんがそう叫んだ瞬間、エレベーターの四方から何かが噴き出した。
「え!?な、何が……?」
なおも何かが噴出する「ぷしゅーっ」という音は続いている。驚いて久喜島さんの顔を見やると、いつの間にか彼女はガスマスク的な何かを装着していた。
……はあっ!?
エレベーター内が、噴出してきている何かで満たされていくのがわかった。頭がぼうっとする。ふらついて足がもつれた。バランスを失いかけたところを、ガスマスク姿の久喜島さんに支えられた。
何これ……?照れ隠しにも、ほどが……。
そして僕は、意識を失った。
二人で始める世界征服 (MF文庫J)です。
「はい、だって、とっても悪い事じゃないですか」
世界征服の第一歩として銀行強盗に行っちゃいます。
その銀行には他の強盗さんまでやってきます。
ありすかわいいよありす
「悪事を働くには優しすぎるのだ。我がデーモンテイルのお姫様は、な」
二人で始める世界征服 (MF文庫J)
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