らぶジェネ！

らぶジェネ！
著者：本田透
イラスト：鶴崎貴大

柳沢航は、かつてヒキコモリかけた過去を持つものの、現在は立ち直って無事に高校入学を果たした普通の少年。しかし入学三日目にして、不幸な事故により、クラスメイトの黒髪美少女・竜宮雪名に「ヘンタイ」扱いを受けてしまう。オカルトに関心があるという彼女のために、謎の廃病院の噂を調べてあげて好感度を取り戻そう！　と出かけた先で見つけた装置を調べたところ、なんと人気ゲーム『らぶジェネ』ヒロインの水無瀬美羽が実体化して目の前に現れた！

 

美羽がくしゃみしたとたん、異変が起きた。
ふしゅ～……。
「あれ、あれ、あれれ？」
「って……水無瀬お前、なんか膨らんで……！？」

―――

「い、いいから、早くこれに着替えろ。俺はしばらく部屋を外しているから」
「んー、なになに？顔が赤いよ。もしかして、今度はあたしのおっぱいが気になってるの？エロいねぇ、エロ少年だねぇ♪」
「気になってないっ！いや、なってるっ！なってるけど女の子が平然と『おっぱい』とか言うなよっ！！！」
そりゃ気になるよね、これだけデカイとねぇ～。見たければ見てもいいよ。あたしは別に気にしないから♪」
「俺が気にするわ！羞恥心、羞恥心を持って！おまえのそーゆーあっけらかんとしたキャラは『らぶジェネ』コンプしたからよく知ってるけどさ、もっとよく考えろ！もうオトナだろ？」

「体はオトナ、心は子供！」

　もうダメだ。これ以上水無瀬と二人きりで部屋に隠れていたら、理性が決壊する。
何度も何度も、ゲームシナリオ内で、同じようなシチュエーションを通過してきた。
部屋に遊びに来て、無防備にゴロゴロ寝ている水無瀬美羽。
パンツ丸出しでも、胸の谷間が見えていてもぜんぜん意識しない。
主人公（つまり航）が水無瀬をベッドの上に押し倒したイベントだって発生した。
ところが、押し倒した後、お約束の三択が出てこなかった。
それはつまり、水無瀬ルートなどという物は存在しない、と言うことであって―――
だがしかし、今の水無瀬はゲームキャラでなく、なぜか人間だった。
こっちの世界では、三択が出現しなくたってどんな行動でも取れるのだ、取ろうと思えば。

そのことに気づいた航の心臓は、爆発寸前にまで高鳴っていた。
航は（どうすれば、元の体に戻ってくれるんだろう……）と呟きながら、再び廊下へとさまよい出た。
「おかえりっ、お兄ちゃ～ん！」

 

はいっ！一度は想像しますね、ゲームやアニメのキャラが実現したらなんてｗ
同じ学校の同じ教室で机並べて授業うけてさらにゲームやアニメのキャラだけじゃなくお兄ちゃんLOVEの妹まで出てきた日にゃ
 

らぶジェネ! (MF文庫J)