この世界からはみ出して翔ぼうねくろま。

容姿端麗・頭脳明晰、向かうところ敵なしの完璧超人として王立トリスメギストス魔法学院内で注目を浴びるソリス・アレクサンドロには、一つ大きな秘密があった。
それは『ゾンビや幽霊、とにかく心霊関係全般が死ぬほど苦手』ということ。
本当の自分を隠しながらも、生徒会の仲間や自分を慕う可愛い後輩たちに囲まれて、それなりに楽しく賑やかな学園生活を送っていた。
そんな彼のもとにある日突然やってきたのは、透き通るように真っ白な身体を持ち、ソリスの幼なじみと同じ、マシロと名乗る、一体の…!?ちょっと不思議な純愛ラブコメディ、開幕。

「あとがき」より
……え～、というわけで僕は今回、ラブコメ小説を書くにあたり、読者様のエッチマインドを存分に満足させるにはどうしたらいいかということをじっくり考えてみたのです。
　それはさておき、えっちなシーンの話です。まず各章の冒頭には必ずシャワーシーンを入れて、女の子は出てくるたびにパンチラさせて主人公が教室や自分の部屋に移動するたびに女の子の着替えシーンに遭遇して、バトルでは無駄に服を破かせて……
　しかしまだ足りない。そんなことでは生ぬるい！こんな物では健全な青少年たちの宇宙のごとき膨大なエッチマインド満たすことなどとうてい出来ぬわ！
　ならば俺はいったいどうすればいいのだ、羅武虚滅道とは死ぬことと見つけたり！的な勢いで夜中に頭をガンガン壁に打ち付けながら三日三晩必死で考えました。
　あ、やばい、俺死ぬわ。そう思ったまさにそのとき、突如として、すばらしいアイデアが浮かんだのです。天啓というやつでしょうか。
　「そうだ！いっそヒロインを本編中ずーっと裸にしてしまったらどうだろう！」
……いい考えです。まさに前編サービスシーンと言うコペルニクス敵転回。世界中の男の子たちが大喜びするにするに違いありません。もしかして僕は天才でないでしょうか。自分の才能がおそろしいです。核となる部分が決まればあとは簡単です。全裸という設定が映えるように、肌は美しい、透き通るような白さで。
全裸でアッパーな性格だと単なる露出狂のアホな子になってしまうので、

出来るだけ物静か―無口な性格に。素っ裸！色白！無口！

……こうして出来上がったのが本編のヒロイン、マシロちゃんです。

「……マシロ」
ソリス、美しい少女と向き合う。
二人は無言で見つめ合う。やがて自然に二つの唇が重な……ろうとしたそのとき。

ねくろま。 (MF文庫J)