著者:蒼山サグ
イラスト:てぃんくる
初となる他校の女子バスケ部との試合にわくわくを隠せない智花たち。だが着いた先の強豪校からの扱いはひどく、いきなり野外でキャンプ!?
「そ、その……どこに寝るのでしょうか」(湊智花)
「あんまり見つめられると……困ります」(永塚紗季)
「すばるんのヘタレ! 見損なったぞっ」(三沢真帆)
「おー。ひなは一回だけしたことあるよ」(袴田ひなた)
「わたしも何度か経験あるよ……えへへ」(香椎愛莉)
さらに今まで内緒にしていた大事な秘密までバラされてしまい──!?
「(い、いや。全然大丈夫だぞ!嫌でもなんでもないし!まったく気にしなくて良い!)」
即座に明るく告げると、智花はごくっと喉をならしたのち、僅かに目線を下げてはにかんだ。
「(えへへ……)」「(あはは……)」
気恥ずかしさで、思わずどちらともなく笑みを漏らし
「あ!?」「ふぁっ!?」
そこでようやく、お互い未だ手を繋ぎ合ったままであったことに気付き、慌てて離した。
「(ご、ごめんなさいっ!)」
「(こここ、こちらこそっ!)」
膝を突き合わせ、正座になって謝罪合戦。と、とにかく!大きな問題に発展しなくて本当に良かった。せっかく良い形で試合までこぎ着けたのに、変な誤解で何か悪い影響が出たら大変だったところだ。
「(ただいまー……あれ?)」
「――っ!?」
なんて安心したのもつかの間、智花と向き合ったまま照れ笑いを交わしている最中に、いきなり入り口の方から葵の声。手洗いにでも行ってたのか、それとも麻奈佳先輩のところから朝帰りなのか。まだはっきりとは状況がわからないが、これはマズい……!
「(起きてたんだ。おはよ、昴、智花ちゃん。何やってるの?)」
近付きながら小声で訊いてくる葵にわたわたと取り乱しつつ、俺は言い訳を探す。……どうする?わけもなく二人で見つめ合ってたなんて思われたら、また変な邪推を向けられること請け合いだ!
「(ス……ストレッチしてたんだ!智花と!)」
咄嵯にそう答えてから、「(ふえっ……?)」と驚く智花に口裏を合わせてくれるよう必死でアイコンタクト。
「(あ……。え、ええと。はい、そうなんです。ス、ストレッチを……。ええと、おはようございます。葵さんは、今お帰りですか?)」
すると、見事に以心伝心で会話が繋がる。どうだ、俺たちのコンビネーション!しかも智花は、速やかに確かめておきたかった葵の動向まで質問してくれた。なんという見事なアシスト。さすがはエースだ。
「(うん。昨日は麻奈佳先輩のとこに泊めてもらっちゃった。……そっか、ストレッチか。智花ちゃん試合前だし、入念にやっておいた方が良いよね。昴は、今日も朝の自主トレするんでしょ?そろそろ行く?)」
まったく疑うそぶりも見せず、葵は笑顔で智花と俺に話しかける。
……助かった。今戻ってきたばかりということは、寝起きの一番危険なシーンは目撃されてないようだ。
「(そうだな自主トレ自主トレ! に、にしてもお前、先輩の所に泊まるなら連絡くらいしろよ……)」
「(あれ、メール送ったんだけど見てない?あちゃ、ごめん……。時間遅かったし、もし寝てる子がいて起こしちゃったら申し訳無いと思って電話はかけなかったんだけど、失敗しちゃったぬ。……うう)」
軽い苦言を受け、テントの外に向けて歩きながら葵が項垂れる。う、このタイミングで逆に落ち込まれたら罪悪感が……。しかもちゃんと連絡はくれてたみたいだし。
「い、いやいや!こっちこそごめん、ちゃんとメール見てなくて!」
野原に出てすぐ、大きくかぶりを振りながら俺からも謝罪を告げると、葵はきまりが悪そうに笑って、こっちのミスを不問に付す。
あれ、なんか変だな。優しすぎて葵じゃないみたいというか……。
などと自分の罪を棚に上げたことを思いつつ、共にロードワークのコースまで歩いていく。
まあ何はともあれ、この感じだと智花、そして部にはあらぬ迷惑をかけずに済みそうだ。
「……あのさ」
安堵しながら歩いていると、不意に葵が眉尻を落とした笑みで、隣から上目遣いを向けてきた。
「ん~」
「それと、もう一つ、ごめん。……私、すごい勘違いしてた」
勘違い?ああ、麻奈佳先輩が言っていたやつか。どうやら上手く説得してくださったらしい。よく分からないけど、後でお礼言わないとな。
「詳しくは聞いてないけど……はは、別に良いよ。どんな勘違いなのかは知らないけど、まあ誤解だったならいいさ」
「……ありがとう。ほんと、馬鹿だよね私。……昴が、バスケそっちのけで子どもたちにいかがわしいコトしてるなんて、そんなのありえないのに」
「…………」
あてつけ、か……?
ロウきゅーぶ! 4 (電撃文庫)です
県大会常連の強豪校と試合です。
つえーです。
でもトリッキーな慧心学園も簡単には引き下がりません。
スポーツなラブ?コメをお楽しみ下さい。
ロウきゅーぶ! 4 (電撃文庫) (ライトノベル)
管理人のみ閲覧可
2011年5月25日
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貼れないストーリーをこっちでやってます。
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