著者:松 智洋
イラスト:ぺこ
都築巧は、血の繋がらない姉と二人暮らしをしている。
潰れかけの洋菓子店『ストレイキャッツ』店長である姉はお人好しで不器用なドジッ子の為、近くに住む幼なじみ芹沢文乃の手を借りながら何とか店を維持するだけで精一杯の日々。
そこに、姉が謎の美少女を拾ってきてしまう。
更に学校では巧に思いを寄せる学校一のお嬢様や悪友達と共に新しいサークルを作ることに。
しかも巧や少女達にはある共通の秘密があったのだ……!
「……ん」
ふと、路地喪に小さな猫が迷い込んできたのを、希は見逃さなかった。
ガリガリに痩せた子猫は、周囲の様子を神経質そうに兄回しながら、忍び足で歩いてくる。
希の存在に気づいた時、一瞬、足を煉ませたがじっと希を観察した後、再び緩やかに歩きだした。
「……迷子?」
話しかけてみたが、まるで知らんぷり。
まるで希を空気のように扱って、ゆっくりと希の目前を通過してゆく。
わたしと似てる。
なんとなく、そんなふうに思えてしまう。
「……いいとこ知ってるよ。ごはん、食べさせてくれるよ」
懲りずに話しかけてはみたが、やはり無視されてしまった。
もしかすると、聞いてはいるのに知らないフリをしているのかもしれない。
「……紳間もたくさんいるよ」
全部で十五匹。あれだけたくさんの猫を、希は初めて見たような気がした。
「……優しい人たちもいるよ」
おせっかいで、お人好しで。
なんでもないような些細なことに一喜一憂して、とにかく強引で。
涙が頬を伝う。
わたしは、泣いている。
どうしてだろう?一人なんか平気なのに、寂しくなんてないのに。
「……ほんとうに、すごく、いいところだったよ」
眩いて、希が静かに目を閉じようとした時――
「だったら、戻ってくりゃいいよ」
路地の入り口から、声が聞こえた。
ハッと顔をあげた瞬間、謎の接近者に怯えて子猫が逃げ出した。
同じように、希も立ち上がって逃げ出そうとする。
しかし、相手の動きは素早かった。
しっかりと服の袖を掴まれて、逃げようにも逃げ出せない。
「やっと捕まえたぞ、希」
振り絞るような声でその相手――都築巧は咳いた。
頬を伝う汗を、ゴシゴシとシャツの袖で拭いながら。
陽は刻々と暮れて、まもなく夜が訪れようとしていた。
時折、遠くの方から聞こえるサイレンの音は、おそらく台風被害で冠水した道路への救助隊だろうと、勝手な推測をする。
さてと、俺は腕まくりをして、希の真正面にしゃがみ込んだ。
「文乃、そこじゃ遠すぎ。もうちょっとこっちに来なきゃ」
「う、うっさい、余計なお世話よっ」
と言いつつも、渋々と側に歩いてくる文乃の姿に、苫笑が浮かんでくる。
左手はしっかりと、希の腕を掴んでいる。
もう離さない。今朝の二の舞はごめんだ。
「……どうして?」
「うん?何に対しての"どうして"なのか、わからないけど」
希は咄嵯に、文乃へと視線を送った。
文乃は希を見つめながらも、少し戸惑いがちに身を疎めている。
「とりあえず、話は全部後にしてさ、うちに帰ろうぜ」
俺は優しく希の手を引っ張って、語りかけた。
しかし希は動こうとはせず、二度ほど瞬きをして、
「……どうして?」
また同じ質問を繰り返した。なかなか強情なやつだ。
「一緒に暮らしたし、一緒にメシも食った。一緒にケーキも作った」
これ以上、なんの理由が要るというのだろう?
「帰らない」
ふるふる、と希が頭を左右に振る。
もう決めたことなのだと、その表情には決意が滲んでいた。
ふう、と嘆息して、俺はもう一度、希の手を軽く引いた。
「迷惑かけるから……帰らない」
強情な捨て猫。誰も信じない捨て猫。
いや、希は俺たちを信じてないんじゃない。自分を信じてないんだ。
自分の存在が、ただ迷惑なんだと思いこんでる.
その気持ちは痛いほどわかった。わかってしまった。
口から飛び出すように言葉があふれ出す。
「な、俺さ、昔こんなあだ名で呼ばれてたんだ。タタミって」
希は、俺が何を言い出したのか判らない、というように俺の目を見た。
「巧と、なんとなく響きが似てるだろ?」
俺は、一つ深呼吸して言った。
「あのな、俺も捨てられた、で、孤児院で育りた、6歳まで」
「え……」
「芹沢教会って昔は孤児院もやってて、経営難でつぶれたんだけどな。そこ出身」
おどろいたように目を見開いて俺の顔を見つめる。
希の表情が変わったのが嬉しかりた、
「だから、俺が乙女姉さんに拾われた、人間第一号。希は二号な。乙女姉さん、ホントに拾いグセあるんだよ。さすがに人間はまだふたりめだけどさ」
文乃は、俺たちの会話をじっと聞いていた。
「俺なんか名前もついてなかったんだぞ。タタミと一緒に捨てられててさ、だからタタミって呼ばれてたらしい。いくらなんでもって、棒が一本減ってタクミ、これが俺の名前の由来。これ正真正銘の実話だぞ」
「そんな……ひどい」
よし、話題に引っかかってくれた。
希は逃げ出すことを忘れてくれているみたいだ。
「まあ、地面に直接捨てるよりは、ってタタミを敷いてくれたんだろうから、俺の親の精一杯の愛情を名前にしてもらったとも注えるだろ?おかげで、こんなに踏まれても平気な人問に育った、まあ、主に踏んでるのは文乃と梅ノ森だけどな」
ほら笑え!笑ってくれよ、希。
ほんのちょこっと、口角をあげるだけでいいから。
無表情で、自分は迷惑にしかならないって、諦めた、冷めた目でいないでくれよ。
でも、希は笑ってはくれなかった、ほんの少し首を傾げるように、俺を見上げている。
冷めた目をして……。
「俺も自分の存在が迷惑だと思って飛び出したことがある、経営が破綻して、孤児たちがバラバラに引き取られていって……でも、俺は誰も引き取り手がいなかったから。それまでも別に不幸って訳じゃなかった。賑やかなとこで、仲問もいたし」
そう、言って、俺は文乃を見た。
「……そんなことない。巧は残れた、私のために出て行ったのよ」
長い髪に表情を隠すようにして、文乃は呟くように言った。
「文乃も?」
希は、今度こそ本当に驚いたみたいだった。
「そうよあたしも迷い猫。孤児だったの、あたしの場合は両親とも事故で死んだって判ってるけど」
彼女は、つとめて淡々と、言っていた。
おそらく、必死の努力で、自分の気持ちをまっすぐに伝えることが苦手な彼女の、これは精一杯の努力だった。
「そう。文乃もいたし、婆さん……芹沢シスターっていう院長先生も、元気な人でさ。でも潰れて、残ったのは文乃と俺だけだった」
今でもはっきり覚えている。
次々に、新しい受け入れ先が決まる仲間達。
養子縁組の話が来ては、一人、また一人と新しい家族に出会う者もいた。
最後に残ったのは、俺と文乃の、一人だけ。
芹沢シスターが困っていることを、俺はすぐに察知できた。
あちこち奔走して、俺たちの受け入れ先を探し続けるシスターの労苦を理解出来ないほど、愚かな子供でもなかった。
だから、俺はある日の夜。リュックサックに荷物を詰め込んで……。
迷い猫オーバーラン! 拾ってなんていってないんだからね!! (集英社スーパーダッシュ文庫)です。
ラブコメです。ドタバタです。青と白のしましまです。スク水です。
ツン(テレ)です。天然ちゃんです。ロリお嬢様です。
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どのチャンネルを回しても、テロップで台風陪報が流れていた。
こりゃ本格的に、明日は休校かもな。
そんなことを考えていると、風呂から上がった希が、フラフラとリビングに戻ってきた。
一瞬、ドキリとするが、ちゃんと体にバスタオルを巻いていたのでホッとした。
「な、なんか飲むか?冷蔵庫に麦茶ならあるけど」
なぜか声が上っずってしまう。
当たり前だ、裸にバスタオルをまとっただけの女子が、すぐ近くにいるんだから。
全裸に比べればマシとはいえ、意識しないかと言われると、そうもいかない。
「ん、いらない」
首を横に振って、希はちょこんと俺の隣に腰掛けた
ち、近いっ!近いって、希っ!
スクール水着どころの騒ぎじゃない。汁い石鹸の匂いを漂わせながら、太ももと胸元が丸見
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ギャルゲーっぽいお話です。いや、ギャルゲがライトノベル化してるのか?
ムフフ♪とお楽しみ下さい。
迷い猫オーバーラン! 拾ってなんていってないんだからね!! (集英社スーパーダッシュ文庫)
著者:田尾典丈
イラスト:有河サトル
ある日突然に世界改変の機会を得た俺は、躊躇なく願望を具現化した。そう、全ての選択肢・イベント・キャラの台詞まで記憶するほど愛したゲーム『エターナルイノセンス』の現実化である。目指せメインヒロインルート―と思いきや、まさかの複数同時攻略ルート突入!しかもゲームにはないイベント発生!はたして俺と愛するヒロイン達はトゥルーエンドを迎えることができるのか!?
「おじゃまするね」
パジャマ姿で窓から部屋に遠慮がちに乗り込んでくる理恵。
昨日の放課後のやり取りを思い出して、いたたまれない気持ちになる。あんなやり取りがあった後で、この部屋に来るっていうことは、何かしらの用があるのだろうか?
それとも、理恵もシナリオが進行してるのだろうか?確かに主人公の行動との因果関係は理恵のシナリオにもない。
俺が体を起こして、ベッドの上であぐらをかくと同時に、理恵がベッドの縁に座る。
「何か用か?」
「うん……。用っていうか、聞きたいことがあって」
相談ではないことに少し安堵した。理恵のシナリオは進行してないようだ。
質問を待つ。言いにくそうにしていた理恵がやがて口を開いた。
「今目、神楽さんと楽しそうに帰ってたよね」
ある意味では、地雷な話だった。
「午後になって、神楽が体調を悪くしたから送れって言われたんだよ」
嘘だ。送れとは言われていない。鞄を持って来いと言われただけだ。
「でも、すごく仲よさそうだったよね。手を、繋いでた」
「……尾行してたのか」
確かに理恵は主人公が関わることには、並以上の行動力を持つようになる設定だが、行為そのものは決して褒められるものではない。
「言いたいことはわかるよ。あたしだって、悪いと思って尾行してた。でも、出て行く二人がどうしても気になっちゃったの……」
俺の表情が変わったのを見て悟ったのか、そんなことを言う。
「それが、理恵に関係があるのか?」
それはあまりにも残酷な一言だ。ゲームの主人公と違って、理恵の想いを十二分にわかっていて俺はそれを言ってしまった。春姉や夏海のことで多少、いらついていたというのもある。言ってから、かなり後悔した。他の人間にこんな辛辣なことを言えないくせに、おとなしい理恵に、俺自身の困惑を悪意に変えてぶつけるなんて最低だ。
「関係なら、あるもん……」
しかし理恵は、弱々しく、だがはっきりと言ってきた。
「あたしの気持ちに、まだ気付いてはくれないの?」
俺にしなだれかかってくる理恵。理恵に押し倒された形でベッドの折り重なる。
風呂あがりなのか、ほんのりと石鹸の香りがしてくる。
「あたしは、負けたくない……!」
顔に水滴が落ちてきた。見ると理恵の目に涙が滲んでいる。
「たとえ、世界一綺麗な女の子が相手でも、武ちゃんを取られたくない……!」
それは初めて聞く、理恵自身の強い願望だった。
「あたしを見て。あたしだけを見て……。武ちゃんのためだったら、なんでもする……。
このまま、ただの幼馴染で終わりたくないよ……!」
ゲーム本編でも見ないほどの熱のこもった理恵の告白。その健気さが、いとおしくなってきて、抱きしめてしまいそうになる。
流されるな……。少なくともこんな形では、きっと互い不幸になるだけだ。
「どいてくれ、理恵……」
「どきたくない……」
力で何とかするのは簡単だ。非力な俺でも理恵の体を退かすぐらいなら余裕でできる。ただ、力ずくで解決しても、理恵をいたずらに傷つけるだけだ。
しかし、そんな思いですら偽善。
咲の恋人になるのを目的としている以上、最終的に理恵は振らなくてはならない。結局は、今傷つけたくないだけで、行動を後回しにしているだけだ。
この時になってようやく気付いた。
いや、気付かない振りをしていたのかもしれない。
ゲームの主人公が救えるのは一人だけ、ということに。
いくら、彼女たちが主人公を想っていようと、最終的にその横に立てるのは一人だけであり、その他のキャラにその時のシナリオは用意されていない。ご想像にお任せだ。
だが、結果が火を見るよりも明らかなキャラだっている。
咲はいい例だ。主人公が助けなければ死んでしまう。しかし、咲を助けたシナリオのその裏で理恵が不幸になっていないなどとなぜ言い切れる?二人の幸せの裏には、きっといくつかの不幸があったはずなんだ。そして、その不幸な結果をもたらす終わりは確実にやってくる。そして、その結末は確かめようがない。
結局すべては、俺の軽い考えのせいだ。キャラクター全員が出れば、こうなることは
わかりきっていたことじゃないか。それを自分の願望が叶ったことで舞い上がって、結末に対して目を向けようとしなかった。周りに気を配るようなこともしなかった。
だが、いくら自分の馬鹿さ加減を自覚したところで、奇跡がなかったことにはならない。より、俺の理想に近いゲーム設定を伴った現実的な世界になるという奇跡は。
理恵の顔が近づいてくる。目尻に涙を浮かべて。
その姿、その想い、その脆さ。はっきり言って魅力的だ。現実で咲と比べたりするのも失礼だが、決して遜色などない。
そんな理恵を見て。
唐突に。
あまりにも最低な考えが浮かんだ。
それは女の予をあまりにも侮辱している。
自分本位な、まさに最低な考えだ。
肩を掴んで、理恵がこれ以上近づくのを制止する。
「なんで……」
大粒の涙がこぼれてくる。水に痛みなどないはずだが、顔に滴り落ちてくるたびにナイフで削られたように感じてしまう。ただ、それでも、彼女の痛みには遠く及ばない。
現実的に一緒にいるのはまだ短い。だが、半年近く作品をプレイしているせいで、その想いが痛いほどよく伝わる。
最低な言い訳の始まりだ。
「俺は……、まだ神楽を好きかどうかはわかってない」
「なに、それ……。じゃあ、なんで最近、神楽さんと仲がいいの?みんなして、あたしに夫婦やめたの?とか恋人やめたの?とか聞いてくるんだよ。それなのに……」
「仲が良くなってきてるのは否定しないよ。だけど、今は話せないけど、事情があるんだ。それが終わったら必ず話す。だから、それまで待ってくれないか?」
「わかんないよ。どんな事情があるの?いや……。いやだよ、あたしを償いていかないで、武ちゃん……」
「お願いだ。最低な、言い訳だっていうことはわかってる。だけど、俺からはそうとしか言えないし、こんな形でお前の気持ちを踏みにじりたくないんだ」
「ひどいよ、武ちゃん。ひどいよ……」
餌で釣るような最低な行為だ。期待を持たせているも同然の。
理恵を見て、思い浮かんだこと。
それは、俺が本当に咲のことを好きなのかどうか、だ。
俺が見てきたのはゲーム匿界のキャラたちだ。現実になれば、また違う。みんなは一個の個人として動いていて、ちゃんと心がある。
そんな中、俺が咲との紳を進展させようと思ったのは、ひとえに最後の結果に『死』が待っているからだ。いくら好きなキャラだったとはいえ、咲が死を乗り越えたあと、俺の想いはどうなるのかは、正直わからなくなった。
あまりにも自己中心的な考えに、心が酷く痛む。はっきりと範弁だ。詐欺と言ってもいいかもしれない。だというのに、まだこの現実は始まったばかりで、結論が早すぎてもいけないと思う、とかそんな、言い訳が頭に浮かんでしまう。
……詭弁に詭弁、言い訳に言い訳の重ねがけだ。
「待って欲しい。ずっと待たせて、もっと待たせるなんて最悪だと思うけど……」
自分でこの現実に呼び出しておきながら最低のお願いだった。本当に最低の……。
理恵を見据える。理恵は目をつぶったまま、黙ったままだ。
だが、数瞬の後、理恵はゆっくりと身を引いていった。
「すまん……。いや、ごめん……」
理恵がしばらくして、こちらに向き直る。その表情は、複雑で感情など読み取れない。
ただ、感情がないとは違う。少しだけ、決意したような、そんな表情だ。
「じゃあ、あたしもひとつだけお願い……。聞いてくれる?」
「俺にできることなら」
「今日は,緒のベッドで寝たい。しばらく味わえない、武ちゃんの温もりを一晩中、感じてたい。それが、しばらく待つ条件だよ」
少し、頭の中が真っ白になった。
「俺を、責めないのか?愛想を尽かしたりはしてないのか?」
「生まれた時から一緒だったんだよ?付き合いだけなら春姉や夏海ちゃんよりも長いんだよ?あたし、武ちゃんの行動には必ず理宙があるって信じた。このぐらいのことで愛想を尽かしたりなんてしないもん」
あまりにも出来た子だった。主人公や俺にはもったいなさすぎる気がしてくる。
「それで、一緒のベッドで寝るのは、ダメ?」
最低な言い訳に対する、あまりにも過ぎた対価。
「本当にそれだけで良いのか?」
「うん。武ちゃんの傍にいられるだけで、あたしは幸せだから……」
背徳的な気もするが、それで理恵の心が癒されるなら……。
あまりにも俺にとって、都合が良すぎる。だが、それが秋原理恵という出来すぎた幼馴染の真実の姿なのかもしれない。
そして、その想いが本来は主人公のものだと考えると、軽く嫉妬心が湧いてくる。
「……幼馴染としてなら、いいよ。一緒に寝よう」
これは理恵に対する牽制などではなく、自制のための言い逃れ。そうでも自覚しないと、理性が消し飛びかねない。これ以上、理恵の想いを踏みにじることはしたくない。
理恵はうんと静かに頷いて、そしてベッドの中へと人ってくる。
一人では狭いベッドの中でお互いの位置を整える。向き合いながら。
「おやすみなさい、武ちゃん……」
「ああ、おやすみ」
消灯すると、俺と理恵は幼馴染として寄り添いあって、静かに眠りへと落ちていった。
ハーレムルートのないギャルゲ&美少女ゲームなんて……
皆、個性的でいいキャラなんだよ。選べねぇっての。
たまになんでこれが攻略対象なんだ?て、キャラもいるけど……。
てことで、ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! (ファミ通文庫)です。
スパムメールに添付された?ボタンをクリックするとギャルゲ開始!
ゲーマーなら一度は夢見る妄想です!!
スパムメールに添付された?ボタンをクリックした主人公が凄いですね。
ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! (ファミ通文庫)
ギブあっぷ! (HJ文庫)
著者:上栖 綴人
イラスト:会田孝信
高校の入学式の日、結槻未祐は保健室で斗神璃亞の着替えを覗いてしまう。とびきりの美しさと、とんでもない毒舌を誇る璃亞に脅されて未祐は保健部の活動を手伝う羽目に
「準備中の札が見えなかった?」
まるで清流のような、どこか気の強さを感じさせる透き通った声で。
彼女はゆっくりと語りかけてくる。
と、そこまで言って彼女は眼を細めた。
未祐が着ているスポーツウェアの色に気づいたのだ。成る程ね、と彼女は嘆息。
「あんた新入生ね?どうりで、ウチのことを知らないはずだわ。生憎とここは、放課後限定の保健室よ」
「すっ、すいません、オレっ!」
金縛りが解けた。未祐はようやく事態を悟り、あわてて頭を下げる。
事情を知らなかったとはいえ、準備中の札を無視したこと、そして着替えを覗いてしまったことは明らかな過失。言い逃れのできない失敗だ。
未祐はあわてて回れ右、足早に部屋を出ようとして、
「ちょっと待って」
いつの間に距離を詰められたのか、彼女に手首をつかまれ、引き留められる。
「血が出てるじゃない」
未祐の左手の人差し指からは、まだ血がにじんでいた。
「は、はい、だからオレ、ば、バンソーコを」
しどろもどろになる未祐の目の前で、彼女は傷口に眼を細め、
「そう……」
スローモーションのようにゆっくりと顔をよせ、パクんと指を口に含んだ。
「――」
未祐の意識が停止する。
しかし、意識の空白は刹那。彼女に「チュっ」と指先を強く吸われ、一瞬で指先から尾てい骨まで、痛みにも快感にも似た痺れる感覚が走りぬけ、思わず腰が砕けそうになる。
上目遣いで未祐の反応を楽しんだ彼女は、からかうような意地の悪い笑みを浮かべた。
そして舌先で傷口をペロリと舐める。
ゾクっとした感覚が、未祐の背筋を上ってゆく。
そこでようやく未祐の指を解放し、
「はい、応急手当てお終い」
「ど、どうも……」
「それにしても、自分のことを『オレ』だなんて、まるで男子みたいな言い方するのね」
「いや……男、ですけど」
「……」
未祐の言葉に、彼女はキョトンとした表情をし、
「ぷっ、あっははははっ、それは傑作ね」
そしてすぐさま大爆笑。
ようやく年の近い相手のように感じられ、未祐は小さく安堵する。が、それも束の間。
笑う彼女の動きに合わせて白衣の裾がひるがえり、未祐はあわてて目をそらす。
「いや、傑作とかじゃなくて、本当にオレは男なの!」
「そんな可愛い顔してるくせして?」
「見かけで人を判断しないでくれ、運動着だからわかりにくいかもしれないけど」
「そんなに高い声で?」
「これでも声変わりしたんだよ、去年の夏に!」
「だったら、この胸はなに?」
笑いながら、彼女はペタリと未祐の胸を触った。
そして硬直。
「……」
「……」
「ねえ……」
とてもとても、気まずい呼びかけ。
「この胸はなに?」
「だから、何度も言わせるなよ……」
未祐は嘆息し、
「オレは、男なんだって」
堂々と宣言する。やれやれ、やっとわかってもらえたか、と正面を見れば。
彼女はスッと後ろへ二、三歩下がって、
「……」
その表情が窺えないほどうつむいている。だが、
「……っ……っ」
ふるふると、小刻みに肩が震えていた。
「お、おい……」
いかん、泣いてしまったのかと思い、未祐は声をかけようとして、
「―っ」
硬直した。誰よりも空気に敏感な未祐だからこそ、感じられた気配。
肌を刺すほど張りつめた空気。燃え上がるような感情の奔流。大気が怒りに満ちている
というか、激しく何かが爆発寸前というか。その圧倒的なオーラを前に、未祐はすっかり呑まれてしまい、逃げることはおろか謝罪の言葉も口にできない。
だから奇跡だったと思う。ピクリと彼女が動いたのに合わせて、腰がぬけるように尻餅をつけたのは。と、同時。未祐の頭上すれすれを、ヴゥオォンっと何かが横に薙いだ。
体感したのは瞬間風速四十メートル。そして直後、響いた轟音に未祐は肩をすくませた。
恐る恐る背後を見る。くの字になってしまっていた。スチール製のロッカーが。
「へえ、避けるんだ……」
反応いいじゃん、と獰猛な声がした。そこで未祐は、今のが蹴りだと理解する。
いまだどこか信じられないまま、正面に視線を戻せば、獲物を前にした肉食獣の如き瞳が未祐を睨んだ。迫力ありまくり。先刻までとキャラがちがう。
未祐はゴクリと喉を鳴らす。汗が頬をひと筋すべる。ひと目見て、本能的にそれとわかるヤバさ。彼女の殺る気は満々だった。どうやら、先刻の蹴りも勘ちがいではないらしい。
そうこうしてる問に、未祐の眼の前で、彼女の足が振り上げられる。
「―死ねっ、変態!」
至近距離で見る、女の子の足の裏は新鮮な光景だった。
それがすさまじい速度で迫ってこなければ
「―っのわああっ!?」
未祐は床をゴロゴロと転がった。直後、彼女の踵が側頭部をかすめ、ダンっと床を踏み鳴らす。あんなに柔らかそうなのに、なんて危険なサウンド。だが、それで終わらない。
ダン、ダン、ダダンっと執拗に踵が追ってくる。真剣な踏みつけの雨あられ。
だから未祐も本気で床を転がった。100%ここまで全力で床を転がったのは、生まれて初めてだ。とんだ初体験。そうしてかろうじて踵の強襲を避け、
「まて、落ちつけ!いや、落ちついてくださいっ!」
相手が必殺の心づもりで来ている以上、未祐の説得も必死の命がけ。
踵を振り下ろしたまま動きを止め、仁王立ちになった彼女は、ゆっくりと振り返り、
「落ちついてるわ、最高に。私の心は今、とても静かで穏やかよ……」
「よせっ、そんな冷たい眼で見るなっ、それは人を殺す覚悟を決めたヤツの眼だろ!」
「女の子が勇気を出して覚悟を決めたのよ。男なら応えてみせなさいよ」
「応えられるか、死ぬわっ。そういう台詞は、そんな剣呑な眼をして言うものじゃないだろ!」
「女の子が勇気を出して覚悟を決めたんだからねっ。男なら応えてみせなさいよっ」
「器用に頬染めてんじゃねえよ!無駄に情感こめやがって!」
語尾までそれらしく変わっているのが、なおムカつく。
すると彼女は「はあ?」と鼻を鳴らす。
「ゴチャゴチャうるさいわね。踏み殺されるのと、蹴り殺されるの、どっちが良いって訊いてんのよ」
「マジで殺す気だったのか……しかも選択肢は足のみかよ」
「私は小さいころから、もし人を殺すなら足で殺せと、厳しくしつけられてきたもの」
「斬新すぎるわっ!」
教育は死んだと叫びたくなる。
未祐は両の手の平を彼女にかざして、どーどー、と落ちつかせる。
「本当に悪かった。でもわざとじゃない。悪気はないんだ。お願いだから、せめて深呼吸をしてくれ。五回……いや、三回でいい。そうすれば、きっとオレの言っていることが理解できるはずだ」
「……」
「……たのむ」
「……」
長い、長い沈黙のあと。
「ふう」
眼の前の彼女が、大きく息を吐いた。
「スー……ハァー……」
そして未祐の言葉に素直に従い、深呼吸を始める。
眼を閉じて、少しだけ唇を尖らせながら、
「スウウゥー………、ハァアァー」
二度目はさらに深く大きく。
説得が通じたらしい。未祐は胸をなで下ろした。
よかった、ここまでくれば、もう大丈夫だ。何とか峠は越えただろう。
「ありがとう……わかってくれて」
未祐は安堵の吐息を漏らす。
しかし彼女は答えずに、そのまま最後の深呼吸。
「スゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ―――――――…………っっっっ!」
「ちょっと待て、吸いすぎだろっ!何だ、その超人的な肺活量はっ―」
そして気づく。未祐はやっと、彼女の真意に、真の狙いに思い至る。
彼女は落ちついてなんかいない。それどころか、未祐の話を聞く気もサラサラない。
彼女は今でも、未祐を抹殺する気でいるのだ。
だが、時すでに遅し。弓が一度引かれたら、あとは矢を放つしかない。
勢いをつけて。
「―よ、よせっ」
未祐の制止をかき消して、
『――』
校内どころか、敷地内すべてに悲鳴が轟いた。
ギブあっぷ! (HJ文庫)です。
ドタバタおもすれぇぇ
少しいじって美少女ゲームのシナリオに!
やっぱり多少のエロは必要だよな!ライトノベルにも。
ギブあっぷ! (HJ文庫)
わるぷるキス! (MF文庫J)
著者:内山靖二郎
イラスト:ニリツ
先天的に魔法が使える女の子たちのために整備された魔女特区、通称セイラムにある高校に転入する朝倉優人。優人は魔女の力の源に“直接触れる”ことで、相手の魔法を使えなくできる力を持っている……自分自身は魔法を使えないのに。この力が疎ましい優人は、力をなくせるという現象「ワルプルギスの夜」を起こせる魔女がこの学園にいるらしいと知ってやってきたのだ。
ところが優人はひょんなことから「男子魔法部」に入部することに。しかもなぜか部員は傲慢なクラスメイトの女子・夏花一人。
女の子ばかりの学園で、優人のぷるぷるに過激な学園生活がはじまりすぎる!!
「ちょっと、彼を床になんか座らせて、なにやってるの?」
「なによ、いま忙しいんだから邪魔しないでよね」
「それって、調教?ちさ先生の真似?」
「ちが~う!これは座禅よ、座禅。英語でいえばThe・ZEN」
なぜわざわざ英語でいい直す?
それにその英語は微妙に違ってるし。
と、ツッコミはさておき、やってきた人物の声には聞き覚えがあった。
校門で俺の争奪戦をしていたうちの一人。魔法医術部の薬師綾音。魔法薬の匂いをさせているから、間違いないだろう。
俺は綾音の外見を思い出す。
夏花とはまた違った意味での美少女―というより、美女のカテゴリーにいれたほうがいいだろう。とても大人っぼく、可愛いというよりは妖艶という感じ。
朝に会ったときは、てっきり上級生かと思っていたので、同じクラスだと聞かされたときはびっくりした。見た目は幼女のちさ先生に紹介されたものだから、なおさら年上に見えたのもあるだろう。
やや赤みかがった、ゆるいウェーブのかかった髪。
シャープで外人モデルのような顔立ち。切れ長で、長いまつげの挑発的な目つき。
リップグロスのせいか、濡れたように艶やかな色っぽい唇。なにより印象的だったのは、そのスタイルだ。
もうしわけないが、夏花と比べても、子供と大人。
目を閉じていても、あの強烈なボディは頭に浮かぶーなどと、雑念を思い浮かべていたら。
「ウチの新入部員はすごいのよ。いくら邪魔してもピクリともしないの。これは達人レベル。ガンジー並みのすごさよ」
いや、ごめん。
こんな俺をガンジーと比べるのはやめてくれ。すごく失礼だから。
というか、おまえはどれだけガンジーのことを知っているのかと。
すると、俺の顔を綾音がのぞいている気配を感じた。
「ふ~ん、そうなの……」
ううっ……たったいま雑念に満たされていたのを見透かされていないか、ちょっと心配だ。
きっとガンジーならこんな心配はしたりしないだろう。
夏花の代わりに、俺が謝ります。ガンジーさん、ごめんなさい。
「なるほどねえ」
しばらくバラと魔法薬の混ざった香りがすぐそばに感じられていたが、やがてスッと遠のいた。
「まあ、いいや。ちょっと着替えさせてもらうね」
「ちょっ!?なんで、ここで着替えるのよ?」
「別にいいでしょ。制服に薬の匂いが移っちゃって嫌なのよ」
さらさらと衣擦れの音。
思わず聴覚に全神経が集中してしまう。
「最近、合う下着がなくて困るのよ。安物つけると体形が崩れちゃうでしょ?」
いきなり生々しいことをいい出した。
一方的に下着に対する不満を赤裸々に告白する綾音に、夏花はさっさと出て行けと抗議するばかり。
「胸が大きくなるのはいいんだけど、くびれを維持するのは大変よね。あんまり筋肉とかつけたくないし。お腹触ってみる?」
くびれ!
くびれですって、奥さん!
「セイラムはランジェリーショップが少ないから嫌ね。下着はネットで買いたくないし……」
ピシッピシッとなにかを弾くような小さな音がする。
なにを弾いているんだ?
位置からして腰のあたり。
「このショーツ、ちょっときついかも」
また、ピシピシという音。
もしかして、それは下着をひっぱっている音?
なんとはしたない。
ここに男がいるのを忘れていないか。
忘れてるだろう?
だったら、ちょっとだけ目を開けても……大丈夫か?
うん、大丈夫。
脳内会議を一瞬で終了させると、俺は身体を微動だにさせず、目だけを薄く、本当にうす~く開いた。
しばらく目を閉じていたので、うまく焦点が合わない。
視界には、ぼんやり肌色っぽいものが見えるだけ。
高鳴る動機を押さえつつ、俺はもうちょっとだけ目を開いた。
すると……
ぱちくり。
目と目が合った。
しかも、綾音と夏花の二人と。
「これのどこがガンジーなのかな?」
かがみ込んでこちらを見つめていた綾音は、腰に手を当てて身体を起こすと、見下すような目をして「ふん」と鼻を鳴らした。
いや、「ような」じゃなくて、間違いなく見下された。
軽蔑された。
呆れられた。
しかも、綾音はまったく着替えていない。
なんてこった。
すっかり騙され―
スパーン!
突如、俺の後頭部に夏花のハリセンが横殴りに炸裂した。
不意を打たれて、目玉がこぼれ落ちそうになった。
スパーン!
スパパーン!
スパパパ、パ――ン!
十六ビートの軽快なリズムでハリセンが振り下ろされる。
音は景気がよいが、殴られているほうはたまらない。
「いてえな、こらっ!」
俺はハリセンを白刃取りして立ち上がる。
「このエロ親父三倍速!それでも男かっ!」
まったく意味のわからん悪口だが、普通のエロ親父よりも三倍ぐらいすごいのだろう。
「だって、しょうがないだろ。目の前であんな話されたら、誰だって目を開けるって!」
「私が気を散らそうとしたときは無視していたくせに……」
「ピンクの象なんか見たくないからな」
「じゃあ、私の下着は見たかったんだあ?」
俺と夏花の間に、綾音が割って入ってきた。
こうして目の前に立つと、綾音の背は俺とほぼ同じぐらい。
女子にしてはやや高めで、夏花よりは頭一つ大きい。
そして、なにより胸が大きい。
それだけでも、俺を動揺させるに十分な破壊力だ。
「そ、そういうわけじゃないけど、すぐそばでそんな話をされたら気が散って当たり前だろ!」
「だったら、なんでピンクの象に反応しないのよっ!」
夏花が怒鳴る。
「なぜそんなにピンクの象を推すんだ!!」
「鼻だけグリーンなのよっ?」
「そこはセールスポイントなのか?」
すると俺たちの低レベルな言い争いにうんざりしたのか、綾音が呆れた口調で眩いた。
「だいたい、夏花ねぇ……男に魔法を教えるなんて無駄なことやめなさいよ」
「なにが無駄なのよ!」
その綾音の言葉に、夏花は敏感に反応した。
「わからないの?魔法は魔女だけの特権なのよ。それをわざわざ男に教えてあげるなんて、どうかしてるわ」
ちょっと言葉はきついが、綾音のいうこともごもっともだ。
それだけに、夏花がなぜ男に魔法を教えるなんて面倒なことをしているのかは、俺もちょっと興味がある。
「そうだな……おまえ、なんでそんなに男に魔法を使わせたいんだ?」
すると、夏花は両手に腰をあてて、高らかに宣言した。
「だって、みんなが魔法を使えたら楽しいでしょ!」
わるぷるキス! (MF文庫J)です。
魔女特区、通称セイラムにある高校に転入して来た魔法を打ち消す事が出来る男子高校生の話です。
うん、ビリビリは出ていません。主人公もとーまーじゃなくてゆーとー(朝倉君)です。
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貼れないストーリーをこっちでやってます。
18歳以上の方向け……。
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